日記-12

大きな壁に直面する味を、今年は何度も経験している気がする。

今日もそうであった。逃げていたことと向き合うのが、何よりも恐ろしく、また偉大であると思い知った。

 

絵を描いている際、どうしてもうまくいかないのは、間違いなく当人の努力不足である。特に、私は他人より劣る、劣るのであるから、なおさら努力せねばならない。

努力は人の美徳である。積み木を積めば崩れるのが怖いが、その分高所に手が届く。

 

自らを無能だと信じ抜き、だからこそ努力する意思を持たねばならない。

私は人生を賭けて無能論文を書き上げるのだ。無能の無能による無能のための作品群を作るのだ。最も美しく生きた無能になるのだ。その日まで油断してはならぬ。常に美しくあらねばならぬ。上を向かねばならぬ。今に満足してはならぬ。自らを追い詰め、かつ疑いつつ信じねばならぬ。