日記-23

生きているという感覚に乏しい。それは昔からである。物心ついた時から、自分の人生に足をつけていない感覚があった。それが、なお続いている。

 

どこまで行っても、この体が己のもののように感じられない不気味さ!その恐ろしさたるや。時折目を覚ましたかのようにその恐怖に襲われる。

 

それもあってか、他人が生きていると感ずること、殊更に、他人の普段を覗き見ることをすると、不思議な感慨に襲われる。

 

この人は生きている、生きているのだと、不可思議な感動と寂しさが込み上げる。難儀な性に生まれたものである。まだ人生を生きていない。自分を見つけねばならない。