日記-2

矢鱈と友人たちは僕を褒めたがるが、自信が無いので生憎受け取れぬ。愛情の与え方はそれぞれだが、受け取り方もそれぞれであると言う事を忘れてはならぬ。

 

僕はものぐさな、痩せ細ったでくのぼうであると言う事を知らないらしい。僕は、求めるものを何一つ手に入れた試しはないのだ。

 

非常に物事に対する観念が希薄であるから、そうなるのだと思う。心が動いた思い出が、ここ数年無い。無感動の人間など、作品を作るに値しない。

 

心に虚無が満ちている。常に希死念慮が僕を取り巻く。楽しそうに笑っている彼/彼女の隣では、僕の青白い顔が宙に浮き、ぼんやりとした不安を持って立っている。カムフラージュを少ししながら。

 

幸せにならぬために生まれてきた人などいないが、幸せまで道のりの遥かな人ならいる。私などがそうである。トランスジェンダーでゲイなのであるから、その事実はあっさりと私から、常人の幸せを取り上げた。

 

綺麗になりたい。女性のようでありたい。

綺麗になりたい。男性のようでもありたい。

強かに、しなやかに生きたい。自由に生きたい。

兎角息苦しい世の中である。しかし、そう受け取ったのは自分であるが故に。